Appleは「プライバシー」をGoogleとの差別化要因に - 松村太郎のApple先読み・深読み
わかりやすくいえば、自分より10台前にその場所を通った2台の車が辿った2つのルートを比較できる、ということだ。
もし、他のユーザーのデータを使わない場合、同じナビの例であれば、自分が以前通った際のルートと通過時間の結果しかデータサンプルがなく、リアルタイムなルート提案も、公共サービスで提供されている渋滞情報以上のものを使うことができないだろう。
ユーザー全員をビッグデータのソースとして扱うか、それをしないかという考え方の違いがそこにある。Appleは後者を選んだことを強調しているのだ。
Googleのように、他のユーザーの情報も活用しながら最適な情報を作り出す選択をしなかったAppleは、公共データを活用しながら、じっくりとユーザーに向き合うことしかできない。
これは機械学習のテクニカルな話にもなり、メリット・デメリットが存在する。おそらく、Googleのほうが、より多くの人々の行動パターンを活用でき、リアルタイム情報を処理できる点で、フィードバックされる情報は充実する。
一方で、ユーザーの生活に密着しているスマートフォンに着目すると、ユーザーのあらゆる行動に着目することで、ユーザーの求めを先回りすることはできるようになるのではないだろうか。