2015年7月7日 12:00
兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (18) 二次創作の醍醐味と争いを生まないための「注意」
今回は二次創作についてである。
○二次創作と一次創作の違いとその楽しさ
二次創作とは、自分のオリジナルではなく、既存の漫画やゲームのキャラクターを使って、創作をすることだ。つまり、中学生の頃、誰に見せるわけでもなく大学ノートに描いた漫画でも、「『俺の考えた最強の超人』が異能力バトルを繰り広げるもの」なら一次創作で、「ジャンプなどに掲載されている漫画のキャラクターを使った、壮大なBLストーリー(人によって男女カップルだったり、女子同士の百合カップルだったりする) 」なら二次創作ということになる(ただし、10年後発見して悶絶するという点だけは同じだ)。
二次創作は楽しい。何せ、好きなキャラが好きなだけ描ける。「超絶萌えキャラに出会ったが、そいつを描くのはまずその後ろにいる名もないモブキャラをマスターしてから」という局面はまずない。
「そのキャラが好きなら、ずっと眺めていればいいじゃないか」、「なぜ貴様が下手に描きなおす必要がある」、「エロ本をそのまま使わず、模写して使うようなものじゃないか」などと思われるかもしれない。しかし、その好きなキャラを描くという過程自体が楽しいのだ。
そのキャラへの愛をもって、世界一かっこよくしようと思って試行錯誤しながら描く。