2015年7月12日 09:30
『Splatoon(スプラトゥーン)』は世界を塗り替えるか? ヒットの要因は、ゲーム性だけではない二次創作とネットの広がり
これがもし「倒す」ことで多くポイントを稼げるシステムになっていたら、結局は初心者蹂躙ゲームになっていただろう。
「"倒す"ことはゲームの目的ではないですよ、あくまで"塗る"ための一つの戦略として"倒す"行為があるのですよ」というゲームデザインがなされているわけだ。
このコンセプトに行き着いたのは、『Splatoon』が「任天堂がTPSを作ったら」という発想でスタートしたものではないからだろう。任天堂の各ホームページで展開している、さまざまなプロジェクトの経緯や背景を社長自らが開発スタッフに訊くインタビュー企画「社長が訊く」にも書かれている通り、最初に「インクを塗って陣地を取り合う」という発想があり、そこに肉付けした結果、ジャンルとしてはTPSに近いものになっただけのことだ。ジャンルやキャラクターありきで開発しないことは、任天堂の情報開発部におけるものづくりの特徴でもあるという。「社長が訊く」で岩田聡社長は次のように語っている。
「情報開発本部のものづくり、つまり宮本(茂)さんのものづくりというのは、デザインからではなく、機能から派生して、そのあとにデザインに行き着くじゃないですか」