ダルビッシュメニューで鍛えられ、開花したソフトバンク・二保旭の成長物語
○北九州市長杯での躍進
2008年5月4日の準決勝・小倉西高戦で、8回からリリーフとしてマウンドに立つと、いきなり143キロを計測。縦スラとチェンジアップを駆使して、2回1安打3奪三振。翌日の決勝・自由ケ丘高戦でも好リリーフを演じ、優勝に導いた。この投球により、一気にドラフト戦線に浮上した。
○不完全燃焼の最後の夏
最後の夏、九州国際大付高は三嶋擁する福岡工高と並ぶ双璧の一つとして、優勝候補に挙げられていた。4番左翼手・榎本葵(当時1年、現楽天)、6番捕手・河野元貴(当時2年、現巨人)を擁する強力打線だった。心強い味方を背に二保は、「大切に育てる」方針もあって、初戦、3戦目と登板回避。2戦目にリリーフ登板し、3回2安打と上々の結果だった。
5回戦・福岡工高戦は、三嶋との投げ合いとなった。腰痛の三嶋も本調子でなく、6回に2-2に追いつかれて、途中降板。一方、二保は7回1/3を2失点でまとめて、あとはリリーフに託した。延長14回にまで及んだ死闘に終止符を打ったのは、榎本の特大サヨナラ本塁打。この勝利で、チームも二保も勢いづくかと思ったが、準々決勝・飯塚高戦は、辛島の術中にはまり、打線は2安打で三塁も踏めずに完全沈黙。