ダルビッシュメニューで鍛えられ、開花したソフトバンク・二保旭の成長物語
二保は熱中症により、6回で途中降板となった。試合は9回裏に失点し、0-1のサヨナラ負けとなってしまった。
もし、二保が熱中症にならなかったら……。もし、結果として甲子園に進んだ飯塚高に勝っていたら……。不運だったと嘆いても、「たられば」を言っても仕方がないが、夏にピークを迎える調整が二保にできていたら、また違った結果になっていたのかもしれない。「大切に育てる」と「夏にピークを迎える調整」の両立は難しいのだ。
○負の連鎖を断ち切る
右肩上がりの成長度合いと将来性を考えると、ドラフト本指名があると予想していたものの、二保は地元・ソフトバンクに育成ドラフト2位で指名された。ここで、夏の敗戦から続く「負の連鎖」に入っていってしまった。
プロ入り後もなかなか結果が出ず、持ち場も2軍から3軍へ。「勝負の年」と意気込んだ2012年、一気に上昇気流に乗り、支配下登録、1軍デビューも果たしたが、体重減(入団当初から4キロ減の66キロ)が気になっていた。
しかし、今季は74キロにまでビルドアップしている。その効果もあってか、1軍でも好投を続けていた。そしてついに、5月3日のオリックス戦で念願のプロ1勝目を挙げた。