単なる製造業からの転換を - IoTが変えるものづくり産業の在り方
さらに、コストにシビアなLCCを中心に航空会社としては、機体のメンテナンス不良により飛行できなかった分のロスを減らしたい、飛行した分だけメンテナンスコストを支払いたい、というニーズがあることを受け、運航コストの削減や定時到着率の向上など、顧客の収益の最大化までつなげることに成功したという。
「ものづくりは単にものを作って売るというものから、サービスへ。IIoTは成果を売る仕組みを構築できる。世界は成果を売る、という経済に変化してきている。飛行機であれば、飛んだ分だけ、自動車であれば走った分だけ、今までのものづくりのビジネス手法とはまったく異なる」と清水氏は指摘する。これまでのビジネスは、機能や性能、品質を提供し、顧客からのクレームなどの反応を聞いて、そこから求められるものを類推し、次に生かす、といった手法であったものが、IIoTにより、提供する製品にセンサを取り付け、今、現場で何が起こっているのか、顧客のビジネスモデルそのものや、何に困っているのか、といったレベルの話題を知ることができるようになる。こうなると、これまでの職人的な技による技術の洗練や安定した製品供給能力の提供だけではなく、最新技術を組み合わせて顧客に提供する力や、収集したデータを分析し、何が問題なのかといった解析する能力といった、サービスの提供を進化させていく必要がある。