単なる製造業からの転換を - IoTが変えるものづくり産業の在り方
●単にものを作って売るビジネスからサービスを提供するビジネスへ
近年、価格や製品開発などさまざまな角度の競争激化により、日本の電機メーカー各社がBtoCからBtoBへとビジネスの主戦場を移そうとしている。皆が皆、コンシューマにものを売るBtoCから、企業間取引などを中心としたBtoBへと市場をシフトさせれば、当然、そこにも新たな競争が発生することとなる。IIoTは、そうした産業分野において、ものづくり産業が勝ち残るために必要となるツールであり、同社執行役員 戦略コンサルティング本部 統括本部長である清水新氏は「ものづくりを行ってきた企業が、単にものを売るだけでは、ビジネスの拡大に限界がある。ものを売るのではなく、アイデアを売る方向に進むべきであることを示すのがIIoTだ」と指摘する。例えば、GEは航空機のエンジンの製造をしてきたが、同市場はグローバルで8兆円程度だ。すでにセンサをエンジンにつけることで遠隔監視を行い、状況を逐次把握し、状況に応じた保守を行うというサービスを展開していたが、対象が"航空機のエンジン"である限り、市場規模は変わらない。そこで同社は、そうした遠隔監視による保守で培った技術を航空機のメンテナンスへと分野を拡大、機体全体の監視による予防保全などを提供することで、メンテナンスコストの削減などを提供することに成功した。