単なる製造業からの転換を - IoTが変えるものづくり産業の在り方
特に産業界でのIoTの活用についてアクセンチュアではIndustrial IoT(IIoT)という言葉を用いている(筆者は、昨年来、産業分野向けIoTを同社と同じようにIIoTと呼び、コンシューマ分野向けをConsumer IoT、CIoTと呼んでいるが、同社ではそうした呼び名はしておらず、IoTの中でも特に重要な分野としてIIoTという名称を用いている、としている)。
では、こうした世界と日本の経営者の意識に差異はどこから生まれてくるのか。同社の調査では、IIoTがもたらすであろう期待(効果)が異なる点を指摘している。グローバルで見た場合、約6割の経営者が新たな収益源の創出に貢献すると考えているが、日本の経営者の場合、約6割がオペレーションの効率化や生産性向上のためのツールとしてとらえているというのだ。また、その恩恵を受ける分野として見ているのは、大半の経営者はITや小売りといった業界に限られるとの見方を示しており、次いで多い製造業や金融の4つの業界に集中してしまっており、まんべんなくすべての分野で恩恵を受けるというグローバルの潮流とはかけ離れたものとなっている。もちろん一部の日本の経営者も新たな収益源との期待をしているが、経営者の考え方次第で2極化しているともいえる。