くらし情報『ファルコン9ロケット、初の打ち上げ失敗 (3) 民間主導の宇宙開発に立ちふさがった試練』

2015年7月27日 13:00

ファルコン9ロケット、初の打ち上げ失敗 (3) 民間主導の宇宙開発に立ちふさがった試練

だが、そもそもこの2機は、米空軍が軍事衛星を打ち上げるためのロケットとして両社に開発させたものだった。にもかかわらず、ファルコン9を同じ土俵に上げる決定を下したということは、過去の経緯にこだわらず、コストや信頼性の面で最良の道を選ぼうとする意図があるのだろう。

そして、民間主導という道を鼓舞した当のNASAももちろん、ファルコン9には大きな期待を寄せ、すでにドラゴン補給船によるISSへの物資輸送が6回も成功していたことからも、その期待はほぼ確信へと変わっていた。

さらに、現在NASAは、ISSへの宇宙飛行士の輸送をロシアのサユース宇宙船に依存しているが、ファルコン9と、同じスペースX社が開発するドラゴンV2宇宙船によってその依存から抜け出し、米国の地から、米国の宇宙船で、米国人の宇宙飛行士を打ち上げられる時代が復活すると喧伝していた。民間が担うということは米国の宇宙産業にそれほどの力があるという勝利宣言であり、何よりISSの輸送を民間に委ねることで、NASAは他国がまだ足を踏み入れたことがない宇宙への挑戦に集中することができるのだ、とされた。

米国内外からの、これほどまでに大きな期待を背負っていたファルコン9が、アンタリーズに続いて失敗したことで、批判の声が堰を切ったように大きくなったのかといえば、しかしそうではなかった。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.