2015年7月27日 13:00
ファルコン9ロケット、初の打ち上げ失敗 (3) 民間主導の宇宙開発に立ちふさがった試練
また、オバマ政権が民間主導という方針を積極的に進めていることも、そうした声が大きくなる要素となった。つまりはロケット云々を飛び越え、単なるオバマ政権への批判材料となったのだ。
しかし、その風潮の歯止めとなったのはファルコン9の存在だった。アンタリーズが失敗した時点で、ファルコン9は13機が打ち上げられており、ほぼすべてが成功し、順調に実績を重ねていた(*2)。
その実績は、ロケットの信頼性を何よりも重要視する衛星通信会社も認めるもので、多くの会社から打ち上げ契約を取り付け、現在も多くの受注を抱えている。ファルコン9の存在は、アンタリーズが失敗してもなお、民間主導の宇宙開発という道が間違いではないことを示していた。
また、今年5月には、米空軍がファルコン9による軍事衛星の打ち上げを認める決定を下している。軍事衛星を打ち上げるには厳しい審査が要求され、ファルコン9は約2年をかけてクリアした。
この背景には、米空軍がファルコン9に期待している節が見て取れる。現在、米国の軍事衛星の打ち上げを主に担っているのは、航空宇宙大手のロッキード・マーティン社が開発した「アトラスV」と、ボーイング社の「デルタIV」