2015年7月29日 11:04
ネットワーク化したデジタルサイネージ、普及を加速させる次の手は
しかし、デジタルサイネージ市場がさらなる成長を遂げるためには課題もある。
デジタルサイネージへの広告配信に特化したマイクロアドデジタルサイネージ 代表取締役 CEO 穴原誠一郎氏は、「デジタルサイネージを利用する広告主は、潤沢な広告費を持つ大手企業ばかり。中堅・中小規模企業の広告主はあまりいません。そのため、広告主の数はインターネット広告と比べて10%にも満たない。これでは市場の裾野を広げることはできません」と話す。
理由は明確だ。大手企業は、既に広告素材を持っていて、そのデータを適切に管理してきた。そのため、デジタルサイネージの利用に関しても大きな障壁はなく、新しい広告媒体としてすぐに利用することができる。
一方、中堅・中小規模企業は、そういったコンテンツを持っておらず、配信ノウハウも持ち合わせていない。こういったことが、デジタルサイネージを利用する障壁となっているのだ。
実はこの状況は、一昔前のインターネット広告(ディスプレイ広告)と酷似している。当時も、中堅・中小規模企業の参入には障壁があり、当初は大手企業だけが広告主となっていた。しかし、参入障壁を1つ1つ丁寧に取り除くことにより、中堅・中小規模企業もインターネット広告を始めるようになった。