2015年8月3日 09:00
テレビ・ワンシーン考現学 (13) 夏到来を知らせるBBQ映像との向き合い方
と、食べている最中なのに、出来得る範囲の片付けを率先して始めてしまった。智則が上半身裸になった。川ではしゃぐのはもう間もなくだろう。
○本格的な夏の到来を伝えるニュース映像
BBQ、この10年くらい、誰からもお呼びはかからない。気が付けば自分の周囲にいる人たちは、「BBQで肉を焼いているようなヤツって絶対にポロシャツの襟を立てているよね」と小馬鹿にし合う男の友人か、「甲斐甲斐しく野菜を切り分けているような女なんて、普段全く料理していないよ絶対」と罵る女の友人ばかりになってしまった。そう、お恥ずかしながら、私、そして私たちは、BBQの実践からかなり長いこと遠ざかっているのである。
それなのになぜ、私は先ほどのようにBBQの風景を恨みったらしく再現できてしまうのか。それはもう「本格的な夏の到来を伝えるニュース映像」の存在に他ならない。
今日は36度まで気温が上昇する、昼前の11時の時点で埼玉の熊谷市ではもう32度だ、とアナウンサーが言う。この時に使われる映像の多くはこうだ。まずは東京駅か有楽町周辺の交差点。汗を拭うサラリーマン。「いやー、もう、ねぇ。やんなっちゃいますねぇ」。続くのは水遊び場のある公園ではしゃぐ子どもたち。