くらし情報『テレビ・ワンシーン考現学 (13) 夏到来を知らせるBBQ映像との向き合い方』

2015年8月3日 09:00

テレビ・ワンシーン考現学 (13) 夏到来を知らせるBBQ映像との向き合い方

「リア充」という言葉は闇雲に使われすぎて好きではないのだが、(とりわけ若者は)なにかとリアルが充実していないと、BBQには参加することが出来ない。率先して肉を焼く係を買って出た、日頃から何かと頼もしい裕介(仮名)。けなげに野菜を切り分けるのは、男女とも誰からも嫌われない明美(仮名)だ。テンションの高さが普段はうざったくもある智則(仮名)も、今日ばかりはムードメーカーだ。「もぉ、食べる前からそんなにお酒飲んだらダメでしょー」と呆れる明美の前で、コンビニで買った安い白ワインをラッパ飲みする智則。あと1時間もすれば、ハメを外して裸になり、川に飛び込むのだろう。

自分の居場所はありますか、見つかりますか、と残酷に問うてくるのがBBQというコンテンツである。そうですか、見つからないですか、という憐れみは、裕介から焼きすぎた肉を次々と紙皿に乗っけられるという行為によって表出する。
はじめのうちは「お、おう、サンキュー」と返していたものの、そのうちに「これはもう食べられるな」と、鉄板の都合が優先される形で肉が配給されるようになる。あれだけ健気に野菜を切り分けていた明美は、陰でカロリーメイトでもほうばっているのではないかと疑いたくなるくらい小食で、「私、もうお腹いっぱいだぁ」

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