くらし情報『謎に満ちた冥王星 探査機「ニュー・ホライズンズ」が見た異形の星々 (1) 冥王星狂想曲 - 惑星から準惑星へ』

2015年8月3日 14:30

謎に満ちた冥王星 探査機「ニュー・ホライズンズ」が見た異形の星々 (1) 冥王星狂想曲 - 惑星から準惑星へ

の頭文字にも掛かっていた。日本では文学者にして天文民俗学者でもあった野尻抱影によって、「冥王星」という和名が考案された。

冥王星は見つかったが、その大きさは予想よりもはるかに小さく、天王星や海王星の軌道運動に影響を与えているとは考えられなかった。トンボーらはさらに別の、より大きな天体があるのではと考えて探索を続けたが、ついに見つからなかった。

実は、天王星や海王星の軌道運動が計算と合わないという問題は、単に計算ミスだったのだ。当時はまだ天王星や海王星の質量が正確にわかっていたわけではなく、誤った数値をもとに計算していたために、実際の観測との誤差が生まれてしまったのである。トンボーらが、ローウェルなどが残した計算結果をもとに冥王星を発見することに成功したのは、単なる偶然に過ぎなかった。

こうしたことから、冥王星はローウェルが提唱した「惑星X」ではないと結論付けられた。
さらにその後、惑星Xという存在があることすら否定されている。

○太陽系第9番惑星が消えた日

冥王星は惑星Xではなかったが、冥王星は太陽系の第9番惑星として君臨し続けた。しかし、どんな姿をした星なのかは長い間誰にもわからなかった。

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