くらし情報『謎に満ちた冥王星 探査機「ニュー・ホライズンズ」が見た異形の星々 (1) 冥王星狂想曲 - 惑星から準惑星へ』

2015年8月3日 14:30

謎に満ちた冥王星 探査機「ニュー・ホライズンズ」が見た異形の星々 (1) 冥王星狂想曲 - 惑星から準惑星へ

○冥王星の発見

1894年、米国の天文学者パーシヴァル・ローウェルは、私財を投じてローウェル天文台を建設した。彼は大富豪でもあったのだ。そして1906年、彼が「惑星X」と名付けた太陽系第9番惑星の、大掛かりな探索プロジェクトが始まった。

しかしめぼしい発見がないまま、ローウェルは1916年にこの世を去る。その後、彼が大富豪であったことが災いし、遺産を巡って長い裁判が続いた。ローウェル天文台もその遺産の中に含まれていたことから、惑星Xの探索は10年にもわたって中断されることになった。

1925年になり、ローウェル天文台に新しく13インチの広域観測用の天体望遠鏡が設置された。これでより惑星Xの探索がしやすくなった。
そして1929年、当時の天文台長ヴェスト・スライファーは惑星Xの探索を、クライド・トンボーという人物に任せることにした。

当時、トンボーはまだ22歳だった。さらに家計の事情から大学には行けず、自作の天体望遠鏡で観測していたアマチュアの天文学者だった。しかし、彼のつけた観測記録は専門家も驚くほど正確なもので、その能力を買われての抜擢だった。

トンボーらは天体望遠鏡を使い、空のある領域を日にちを空けて写真に撮り続け、その写真をブリンク・コンパレーターという装置を使って見比べることで、位置が変わっている天体がないかを探すという方法で惑星Xの探索を行った。

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