日本発世界へ、2.5次元ミュージカルが描く希望 (2) 作品への思い入れを裏切ってはいけない
髪型やメイク、衣装である程度なんとかなります。もちろん、体格とかは変えられないんですけどね。でも、もっと重要なのは、役者がそのキャラクターと同じ"種"を持っているかなんですよね。例えば、リーダー格のキャラや正義感のあるキャラを、そういう"種"のない人では演じられないんです。
――キャスティングのためのオーディションはどのようにやっているんでしょうか
書類審査が終わってからの面接が全部で3~4回くらいありますね。僕の場合は、絞り込まれてから面接をするのですが。一応は役ごとにオーディションはしてるんですけど、面接を重ねるうちに、「こっちのほうがいいんじゃないか」ってことは多いんです。それで、別の役のセリフを読んでもらって、オーディションを受けたのとは別の役になることも多いんです。
それに、「この役のセリフ、一回も読んでないのに、この役に決まったんだけど……」なんて役者さんたちが言っているということもあります。見ているのはセリフを読んだときの感じではなく、その人の中にある"種"なんですね。
西森路代
ライター。地方のOLを経て上京。派遣社員、編集プロダクション勤務を経てフリーに。香港、台湾、韓国、日本などアジアのエンターテイメントと、女性の生き方について執筆中。