日本発世界へ、2.5次元ミュージカルが描く希望 (2) 作品への思い入れを裏切ってはいけない
でも、物語に対して思い入れがあるからこそ、その思い入れを裏切ると見てくれなくなることもあります。やはり、舞台を作るときに、原作の世界と、全体の空間がフィットしていないといけないということは、いつも気にかけていますね。だから、『テニミュ』と、舞台『弱虫ペダル』のアプローチはやはり違うものなんです。例えば、『テニミュ』のアプローチを舞台『弱虫ペダル』にそのまま持っていくと、「なに歌ってるの?」って思われたりもするでしょうね。作品によって求められているものが違うんです。
○プロデューサーの役割は
――その求められていることが違うことを見極めるのは誰になるんでしょうか
それはやはりプロデューサーだと思います。最初のビジョンを考えてからじゃないと、スタッフィングできないですからね。設計図を描いてから、誰に託すかを決めるのはプロデューサーの仕事なんです。
その後は設計図をもとに話し合っていきます。『ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-』は、『テニミュ』のように、キャラクターにハマるタイプの人気というよりは、その物語や普遍的な世界が好きという人が多いと思うんですね。だから、僕は『ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-』を手掛けるときに、ファンの納得するビジュアルにとことんこだわって、再現率をどこまであげるかに力を注いだんです。