2015年8月10日 12:15
小売・流通業とマーケティングのトレンドを読み解く (3) 変化を迫られる百貨店 - 各社の戦略から次の時代を考える
強みを持てる領域が狭いということは、すなわち他社との違いを作り出しづらいということであり、一例をあげるならば、百貨店とショッピングセンターの違いはほとんどなくなっているという具合です。
○"次の百貨店"はどこにある?
このように大きく変化を選ばなければならない時期にさしかかり、百貨店各社は新しい道を歩み始めています。(残念ながら決断できていない会社も多いようではありますが・・・)
Jフロントリテイリング (大丸松坂屋)は、大丸を復活させた改革者・奥田務氏 (現 取締役相談役 / 旧 会長兼CEO)の采配のもと、賃貸型を増やして自社の担当範囲を縮小していく、いわゆるショッピングセンターに近いビジネスモデルへの移行を進めています。収益が安定するだけでなく、新しいお店や商品を取り入れやすい賃貸型の強みを活かし、若い層を取り込んでいこうという「新しい百貨店像を描く」戦略です。また、先日もラオックスを拡大導入することを発表するなど、トレンドに沿った商業 施設作りに積極的に動いています。対照的な戦略を取るのが伊勢丹メンズ館を大成功に導いたマーケター・大西社長が率いる三越伊勢丹ホールディングスです。