くらし情報『小売・流通業とマーケティングのトレンドを読み解く (3) 変化を迫られる百貨店 - 各社の戦略から次の時代を考える』

2015年8月10日 12:15

小売・流通業とマーケティングのトレンドを読み解く (3) 変化を迫られる百貨店 - 各社の戦略から次の時代を考える

といったイメージを反映したものとなっています。

しかし、歴史を振り返ると、昭和31年に施行された百貨店法では「同一の店舗で床面積の合計が1,500平方メートル以上の物品販売業」、つまり大きいお店=百貨店といったとても大雑把な言葉で定義されており、現在の高級なイメージは一切語られていません。実際、上野広小路の松坂屋は、改築時に百貨店の祖・日比翁助氏にアドバイスを求め「大衆向け百貨店」を目指していますし、大丸は戦前「どこよりも良い品をどこよりも安く」を標語としており、現在とは大きく異なる認識だったことが伺えます。

このことから私は、「"百貨店" という言葉そのものは組織的に小売・流通事業を行う、いわゆる近代小売業全てを表しており、時代の流れにより、結果的に "大きな館を構えて買い回り品を中心に丁寧な接客で売る" といった姿になった企業」と捉えています。

○百貨店は、存在意義を求めて常に変化することを宿命付けられている

百貨店のように、定義自体が明確な "儲けるための戦略" を持たないビジネスというのは、時代の変化に合わせて、常に新しい存在意義を提示しなければならないという宿命を持っています。

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