2015年8月24日 13:26
新型基幹ロケット「H3」の挑戦 (5) その進化は見た目以上―第2段機体と固体ロケット・ブースター
2014年度から開発が始まった、新型基幹ロケット「H3」。2020年度に試験機1号機が打ち上げられる予定で、現在活躍中のH-IIAロケットやH-IIBロケットの後継機となることが計画されている。
H3ロケットは宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業とが共同で開発を行っており、2015年度からはロケットの基本設計が始まっている。また7月2日には、それまでの「新型基幹ロケット」という呼び名に代わり、ついに「H3」という正式名称が与えられるなど、徐々にその姿が明らかになりつつある。
本連載では、H3の開発状況について、新しい情報などが発表され次第、その紹介や解説などを随時、お届けしていきたい。
今回は、第2段と、固体ロケット・ブースターについて見ていきたい。一見すると、H-IIAやH-IIBからあまり変わっていないようにも見えるが、その実は大きな進化を遂げる。
○第2段にはH-IIAのエンジンを改良、新型エンジンはおあずけ
H3の第2段には、H-IIAやH-IIBで使われているLE-5B-2を改良したエンジンが使われる。
以前の検討では、第1段に新しく開発したロケット・エンジン「LE-9」