2015年9月24日 11:49
iOSにも押し寄せたマルウェア、その対策はあるのか - 松村太郎のApple先読み・深読み
このことは、被害をさらに拡げる可能性も秘めている。
iPhoneユーザーは、アプリ実行やデバイスのカスタマイズの自由度と引き替えに、アプリの安全性をAppleが担保してくれる、という信頼感があったかもしれない。開発者ではない一般ユーザーにとっては、OSの自由度よりも、高級感あるデバイスと使いやすいソフトウェアのほうが魅力的に感じるからだ。
しかし、今回のXcodeGhost問題は、そうした信頼感そのものが揺らぎかねない、Appleとしてもユーザーとしても、見逃すことができない問題といえる。
Appleのマーケティング責任者であるフィル・シラー氏は、中国のシナドットコムに再発防止策として、中国国内からXcodeをダウンロードできるようにする対策や、感染を特定した25種類のアプリをリストアップし、ユーザーが対策を行えるようにするとしている。一方のユーザーも、自衛策に走るべきだろう。App Storeは今後も、原則として信頼性のあるアプリが配信されるよう努めていくはずだが、アドネットワーク経由などのリンクからアプリをダウンロードする際には、その安全性について細心の注意を払ったり、アプリに限らず最新のセキュリティ情報に目を光らせていくことが必要だ。