くらし情報『フォントから考える (3) 世界の“普通”をつくったHelvetica (1)』

2015年10月8日 12:00

フォントから考える (3) 世界の“普通”をつくったHelvetica (1)

先に挙げた例以外で分かりやすいものに、JRのプラットホームにある駅名標、その駅名のローマ字表記があり、これらはHelveticaで組まれています。

○Helveticaの歴史

Helveticaは1957年、スイスの活版文字鋳造所のハース鋳造所で生まれた書体です。初期はHelveticaではなく、Neue Haas Grotesk(読み:ノイエ・ハース・グロテスク/「ハース鋳造所の新しいグロテスク書体」の意)という名で販売され、後に販路拡大を狙う際に、Helveticaと名づけられました。

Helveticaが発表されてしばらくは、1文字1文字を鉛でできたハンコのようなものにした、金属活字とよばれる形で提供されていましたが、1文字1文字活字を手で並べるのではなく、テキストを1行ごとのブロックとして活字をつくる「ライノタイプ」、アナログ写真の原理を用いて文字を組む「写植」と、印刷上の文字に関するテクノロジーが移りかわるにつれ、それぞれの技術に合わせて微調整が加えられながら現在まで続いています。

Helveticaは現在、20を超えるウェイトを持つフォントファミリーとして販売されていますが、もともと計画されてそのような大所帯になったわけではありません。

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