2015年10月8日 12:00
フォントから考える (3) 世界の“普通”をつくったHelvetica (1)
Helveticaの爆発的な流行の後、急激に増えた顧客需要に応える形で、時間をかけて付け足されていきました。
例えば細かい話ですが、Helveticaのコンデンス体(横幅が狭いバージョン)やエクステンド体(横幅が広いバージョン)は、もともと別の書体としてつくられていたものの名前を、Helveticaに付けかえたものです。
また、先述のとおりテクノロジーの進歩に従って都度調整が加えられていくなどの種々の変更があり、書体のファミリーとして見た場合に、細かいながらも、見た目の不都合が生じつつありました。そのため、Helveticaがデジタル化を迎える1983年に、Helveticaファミリー全体を見直し、統一的に再デザインをほどこしたHelvetica Neue(読み:ヘルベチカ・ノイエ。Neue Helveticaとも)が登場することで、Helveticaファミリーは完全な形となりました。
○Helveticaの魅力とは
これだけ支持されているフォントなので、「魅力の理由」が気になるのは自然なことですが、一概に言うことはできません。すでに様々なデザイナーが、様々な視点でHelveticaの魅力を語っていますし、そもそもが難しい質問でもあります。