LCCが望む空港は日本で実現するのか?--エアアジア・ジャパンと中部空港より
また、ANAの中部=羽田線開設など国際線拡充にとってむしろマイナスともなりうる動きもあり、中部はこのあたりで将来に向けた対策を打ち出す必要があったのだろう。ただ、ターミナルの容量という点では、中部は飽和状態に達しているわけではないので、LCCターミナルの建設は当面様子見のままではないかという見方が多かったことも事実である。
ではなぜ、中部空港はここで投資を決断したのだろうか。その伏線は9月中旬にバンコクで行われた国際会議にあったと言えるだろう。
○「空港運営の概念を変えてほしい」
バンコクで9月中旬、CAPA(豪州の航空コンサルティング会社)主催の国際会議では、「アジアLCCが空港に求めるもの」がテーマであった。この会議の提唱者であるエアアジアのトニー・フェルナンデスCEOは、1時間にわたって熱弁を振るった。トニー氏が主張した「空港に分かってもらいたいこと」は以下のようなことである。
1.LCCを収益化することは可能
空港運営にはFSC(フルサービスキャリア)向けとLCC向けの2つのモデルがあり、この2つの異なる運営形態を両方とも収益化することは可能だ。
LCCは絶え間なく成長し拡大していかねばならない。