くらし情報『白騎士、見参 - 中国の新型ロケット「長征六号」が切り開く未来 (1) 長征ロケットの歩み』

2015年10月22日 12:54

白騎士、見参 - 中国の新型ロケット「長征六号」が切り開く未来 (1) 長征ロケットの歩み

また、長征は推進剤に四酸化二窒素と非対称ジメチルヒドラジンという、毒性の強い物質を使っていることから、環境や人体に悪影響を与える危険性があり、また運用が難しいという問題もあった。

こうした背景から、長征三号が開発されたばかりの1986年ごろにはすでに、より強力で、そして環境や人体にやさしい推進剤を使う、新しいロケットの検討が始まった。しかし、技術的な問題などをはじめ、おそらくは既存の長征ロケットの改良や発展のほうに注力する必要があったこともあり、当時はまだ本格化することはなかった。

その次世代長征ロケットの検討が本格化したのは、2001年のことだった。公になったのは2002年ごろである。「長征五号」と名付けられたそのロケットは、これまでの長征シリーズよりも大型で、そして世界的にも実用例の少ない、難しい技術を使った高性能なロケット・エンジンを装備していることも相まって、はるかに大きな打ち上げ能力をもつとされた。目標とされた性能は、地球低軌道に25トン、静止トランスファー軌道に14トンで、これは現在運用中のロケットの中で最も打ち上げ能力の大きな米国の「デルタIVヘヴィ」や、欧州の「アリアン5」

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