くらし情報『インフルエンザの予防接種は効くの? 効かないの?? - 感染症のプロが解説』

2015年11月2日 10:00

インフルエンザの予防接種は効くの? 効かないの?? - 感染症のプロが解説

例えば、インフルエンザワクチン接種率と学級閉鎖日数の相関を見ると、ワクチン接種率が高いほど学級閉鎖日数が少ないなどの結果も得られており、「一定の接種率を確保すると、学校などでの集団生活の中でインフルエンザが流行するというのは、ある程度抑えられます」。

ただ、今年は従来よりも対応ウイルスの種類を増やしたワクチンに切り替えられている。これまではA型2種とB型1種だったが、新たにB型をもう1種増やして4種類に対応するように変更。そのため、ワクチン接種費用が高くなる傾向が見られている。岩田教授はワクチン接種に係る料金値上がりに伴う接種率の低下も懸念しつつも、「接種が重要」との見解を示した。

○インフル流行時は肺炎球菌のワクチンも

インフルエンザ以上に接種率が低い肺炎球菌に関しても、岩田教授はその重要性を指摘している。免疫機能が未発達の5歳未満や機能が低下してくる高齢者(65歳以上)が肺炎球菌による感染症になりやすい。日常生活で発症する肺炎である「市中肺炎」に罹患(りかん)すると死亡リスクが上昇するなど、日常生活に多大な影響を及ぼすことがわかっている。


市中肺炎の入院患者の原因微生物を見ると、肺炎球菌が全体の4分の1を占めたという報告があるほか、インフルエンザ流行時に検出された肺炎の原因となった細菌は肺炎球菌が多いというデータもある。

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