2015年11月9日 12:00
なぜマリオはキノコを取ったとき縦に伸びるのか - ドット表現の限界への挑戦
これがマリオがキノコを取っても縦にしか伸びない理由の一つなのと考えられます(もちろん、ゲームバランス的な理由もあるでしょう)。
そうはいっても、どうしても5キャラ分、横に並んでしまうこともあります。そういう場合、4キャラ目と5キャラ目を交互に表示したり消したりして、擬似的に両方が見えるようにしていました。よく言われていたファミコンのちらつきは、これが原因です。
この方法が特に生かされているのはクッパが吐く炎です。炎は32ピクセルで構成されており、さらに横に向かって進んできます。そのまま表示すると同列2キャラ分ものピクセルを消費してしまいますが、実は炎の先端と後端を交互に表示することでピクセル数を減らしているのです。
そうはいっても、ちらつきはなるべく少ない方がいいに決まっていますから、「スーパーマリオブラザーズ」ではなるべく横一直線にスプライトが並ばないような工夫がなされています。
たとえばハンマーブロスのハンマーは放物線を描きますし、火の海から出現する炎も縦に動きます。「スーパーマリオブラザーズ」のすごいところは、こうした制約による動きを逆に利用して、絶妙なゲームバランスを作り上げたところにあります。