2015年11月14日 16:12
富士フイルム「X-T10」+「XF56mmF1.2 R APD」 - APS-C最高峰のボケを味わう
このことから、XF56mmF1.2 R APDは、フィルム時代からポートレートレンズの王道とされてきた「85mm F1.8のレンズ」の立ち位置に近いことがわかる。
「ちょっと待って。なぜF1.2じゃなくてF1.8なの。せめて、F1.4じゃないの?」
そう思いますよね。実は、ここに関係してくるのがAPDフィルターなのだ。
●実写作例は思い切ってポートレートのみ
○ボケに大切なのは「大きさ」だけじゃない
APDフィルターは、鏡胴内に設置されている。これにより、ボケの中心から輪郭までのボケ足が長くなり、階調豊かな美しい背景ボケを描き出すことができる。富士フイルムのサイトにわかりやすい解説(その1、その2)があるので、参考にしてほしい。
ただ、フィルター形状からもわかるとおり、鏡胴内部に「若干しぼった絞りが入る状態」になるため、設計上の絞り値が影響を受ける。
XF56mmF1.2 R APDの絞り環の写真をご覧いただきたい。白字の絞り値(設計値)の下に赤字で数値が書き込まれているのがわかるだろう。実は、これがAPDフィルターの影響を考慮した絞り値。この白字と赤字の数値差が大きいほど、APDフィルターの効果が発揮される。