くらし情報『妊娠中のオメガ6過多/オメガ3欠乏が子供の脳形成不全を引き起こす - 東北大』

2015年11月20日 12:38

妊娠中のオメガ6過多/オメガ3欠乏が子供の脳形成不全を引き起こす - 東北大

これにより、オメガ6過多/オメガ3欠乏飼料が神経幹細胞の細胞産生能を神経細胞からアストロサイトへ偏らせることが分かったとする。

さらに解析を進めたところ、オメガ6およびオメガ3のエポキシ代謝物に変化を確認。その役割を分析したところ、オメガ6であるアラキドン酸由来のエポキシ代謝物は神経幹細胞のアストロサイト産生能を高め、DHA由来のエポキシ代謝物は神経幹細胞の神経細胞産生能を高めることが分かったという。

加えて、こうした脳形成の異常が将来の仔の情動に与える影響の解析として、大脳新皮質の神経細胞産生が完了している生後10日目以降に、オメガ6過多/オメガ3欠乏飼料を与えていたマウスの飼料を標準的なものへと変更し、仔が成体になった後の不安行動を調査。その結果、胎生期にオメガ6過多/オメガ3欠乏飼料を投与されていた仔マウスは過剰な不安行動を示すことが確認され、これにより母親の脂質摂取が仔の脳形成に大きな影響を及ぼすこと、そしてその際に仔マウスの将来の情動の一部が決定される可能性があることが示されたという。

なお研究グループでは、今回の成果を踏まえ、日本においてはオメガ3を豊富に含む魚介類を頻繁に食べており、またオメガ6の含有量を減らした植物油が広く流通していることから、現在のところオメガ6過多/オメガ3欠乏状態は報告されていないとしているものの、食生活の欧米化と魚離れが進むと、今後の日本においてもオメガ6過多/オメガ3欠乏が起こることが懸念されるとコメント。

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