民泊の規制緩和が意味するもの - 真の"ホテル難民"救済はどうあるべきか
一朝一夕の法令整備は難しく、急増する民泊に対応するのは困難だ。
○更新制等のガイドラインに保険商品も必要
実状が先行する民泊営業の喫緊課題は、利用者や利害関係に立つ者の生命、財産、生活一般の安全を守ることだ。民泊の存在意義という観点から考えても、旅館業法の枠組みとは異なる民泊営業条件を明確化し、事業者認定を行うことが前提となるだろう。
民泊事業者への行政の立ち入り権限はもちろんであるが、厳格な事業者認定や更新制をとることで、使用期間の条件緩和なども可能なのではと筆者は考えている。宿泊者名簿や廃棄物等をはじめとする行政のガイドラインをクリアした宿泊約款の作成はもちろん、事業の届け出に際しては、物件の不動産登記簿謄本や転貸を可とする不動産賃貸契約書き写しの提出は最低条件だ。
マンションであれば、管理規約や管理組合の承諾書き写しの添付、年度末には営業報告書、更新に際しては民泊を営む者の確定申告書控えの添付など、トラブルになりがちな個人営業の多い民泊ならではの届け出条件を定めることが肝要である。
一方、無届け営業には迅速な行政指導や各種法令の罰則を厳格適用するなど、合法業者と違法業者をはっきり区別し、違法業者が排除されるシステム作りが求められる。