2015年12月1日 12:00
1990年代をピークに衰退してきた日本のスキー産業に再浮上はあるのか?
「以前は、テレビや新聞で天気予報を得られても、それがリアルタイムな情報ではなかったため、とりあえずスキー場に行ってみようという雰囲気がありました。ですが情報端末が発展してからは、現地の天候が悪いと知れば容易にあきらめられます。また、携帯電話やSNSで不参加を伝えやすくなっており、それによるスキー行きそのものが消滅する事例も増えています」。
では、このままスキーは衰退の一途をたどるのか?
●旺盛なインバウンド消費がカギのひとつ
スキー産業がこのまま先細っていくのではないかという予想に対し、業界関係者は懐疑的だ。というのも、日本のスキー産業にはいくつか光明がみえているからである。その光明のうち、もっともわかりやすいのはインバウンド消費の取り込みだろう。
2014年に年計として最高数の1,341万人に達したインバウンドは、2015年9月には1,448万人に達した。すでに最高数値の昨年を抜き、年間1,800万人に届くのではと予測されている。
こうしたインバウンドのうちの数%の目的が日本の“雪”を求めているとされる。
その象徴的な例が北海道ニセコ地区だろう。南半球に位置するオーストラリアやニュージーランドのスキー客は、古くから北半球に位置する日本のスキー場に目を向けてきた。