京アニ・武本康弘監督が語る『映画 ハイ☆スピード!』への"挑戦"【前編】-「キャラクターが魂で喋るからこそ、通じるものがある」
僕はもう、見ているだけ、という感覚でした。
●"TVにはいなかった"キャラに秘められた試行錯誤
――続いて、メインキャラクターの中で、TVシリーズ『Free!』に登場しなかった人物についてお伺いします。旭はとてもアクティブな一方で悩みを抱えているなど、ある意味一番中学生らしい面を持つキャラクターだと感じたのですが、彼を描く上で留意した点などあれば教えていただきたいです。
旭は『Free!』には出てこない小説「ハイスピード!」のキャラクターなので、当然ながら小説での描写がベースになっています。ですが、TVシリーズ『Free!』の中の誰かに被ったような性格ですと、あえて新たに旭を登場させる意味がなくなってしまいます。「Free!の●●っぽいキャラ」ではなくて、既存のキャラクターとは違った個性を持っていると思ってもらえるように注意しました。
『Free!』では、物事の原動力というか、ブレイクスルーをもたらすのは渚の役割でした。旭は、渚とはまた違ったアプローチでブレイクスルーが行えるキャラクターです。
また、ここは多分に僕の思いというのが強く入ってしまっている部分かもしれないのですが、「年相応の幼さ」