2015年12月8日 12:14
人工知能は人間の敵ではない、日本経済の強みになり得る - 東大松尾准教授
松尾氏は、人工知能とWeb工学を専門としており、これまで人工知能(推論、機械学習、ディープラーニング)、自然言語処理、社会ネットワーク分析、ソーシャルメディア、Webマイニング、ビジネスモデルの研究を行ってきた。
○「認知」できるようになった人工知能
人工知能の研究が始まった1950年代から、さまざまな研究が進められてきた。それらの中で、脳の神経活動をモデル化したニューラルネットワークや深化の過程をシミュレートする遺伝的アルゴリズムなども開発された。また、人工知能を「仕事」に活用できないかという観点からの研究も行われ「エキスパートシステム」という職業に特化したシステムも開発されてきた。
しかし、これらの人工知能は、コンピューターで処理できるように、あらかじめ人間が判断の条件を定義しておくなどの前準備が必要だった。つまり、人工知能は限られた領域においては効果を発揮できるものだったが、そのためには必ず人が介在し、準備をする必要があったのだ。
「例えば、人間は"机"を見た時に机だと"認知"します。ちゃぶ台やカウンターテーブル、場合によっては何かに板を渡しただけのものであっても、それを机だと認識できます。