2015年12月25日 10:00
定理をいきなり思いつくってホント? - 「数学者」に話を聞いてみた
●中学時代はむしろ数学が苦手だった
「数学者」と聞くと、オイラーやガウス、ラマヌジャンといった歴史上の天才数学者たちが頭に思い浮かび、「数学者たちの頭の中って、いったいどうなってるんだろう?」と、つい考えてしまう。凸幾何学およびポテンシャル論を専門とする数学者である宮崎大学 教育文化学部(2016年4月から教育学部に改組予定) 数学教育講座の坂田繁洋 講師にお話をうかがい、その実態に迫った。
○「数学者」を志したきっかけ
―「数学者」と聞くと、小さいころからすでに数学がものすごく得意だったのではというイメージがあります。中高時代、数学は好きでしたか?
私はむしろ、中学1~2年生のころは苦手なほうでした。文章題が解けなかったんです。数学にハマったのは、それまで通っていた塾を変えて、新しい先生に教えてもらうようになってからですね。特に、三平方の定理がおもしろいと感じました。補助線の引き方を1本見つけられると一気に問題が解けるというところが、ある種のゲーム感覚というか。
―大学では「数学科」で学ばれていたそうですが、多くの学科のなかから数学科に進学しようと思った理由を教えてください。
もともと学校の先生になりたかったので、高校2年の文理選択の際には、教育学部に行くために文系に進もうと思っていたんです。