2015年12月25日 10:00
定理をいきなり思いつくってホント? - 「数学者」に話を聞いてみた
数学者はまず、そもそも「灯心」というものはいつでも存在するのかどうかということを考えます。これは早々に解けたのですが、修士論文のメインの結果とするには弱かった。そこで「灯心」が存在する場合、果たしてそれはひとつだけだろうかということを考えました。灯心を2個以上もつ公園が存在することはわかっていたので、この考察には意味があります。その結果、公園が線対称でかつへこみがない(凸領域)ならば、灯心は公園の対称軸上にひとつだけ存在するということがわかりました。
―修士論文のテーマは指導教官のアイディアがベースになっていると思うのですが、数学の研究では一般的に、どのようにして研究テーマを見つけるのでしょう。
博士課程では、修士論文で用いた計算手法のアイディアを、ほかの"由緒正しい"数学の問題に流用できないか考えてみることにしました。大学1年生のときに使っていた微分積分学の教科書をなんとなく眺めていたときに、熱方程式の解が、修士論文で研究した関数に似ていることに気づいたのです。
「これで由緒正しい偏微分方程式に新しいことが見出せた!」と思ったのですが、20年前にすでに同じことを考えていた研究者がいました。