くらし情報『ノーマリーオフコンピューティングはIoT時代の必須技術となるのか? (4) ヘルスケアシステムの低消費電力化技術』

2016年1月20日 08:00

ノーマリーオフコンピューティングはIoT時代の必須技術となるのか? (4) ヘルスケアシステムの低消費電力化技術

アナログ回路も可能な部分はデジタル化してノーマリーオフ化、デジタル化できない部分もデジタルコントロールでノーマリーオフ化を目指す。

そして、メモリは強誘電体を使う不揮発性のFeRAMの使用と、ロジックも電源オフでも状態を保持する不揮発性ロジックを使い、電源をオンオフ時の処理オーバヘッドを減らす。

ロームはグループ内にラピスセミコンダクタという半導体会社を持っており、この会社は強誘電体を使うFeRAMの技術を持っている。強誘電体の分極を使うFeRAMは書き込みが高速で消費電力も小さい。また、書き変え寿命もNAND型フラッシュメモリと比べると非常に長く、実用上問題にならない。FeRAMは他の不揮発性メモリと比較すると集積度は高くないのであるが、生体情報センサLSIで必要とされるメモリは16KBとそれほどの大容量は必要ない。

不揮発性ロジックは、次の図に示すようにCMOSのレジスタのフィードバックパスに強誘電体キャパシタを追加して、電源がオフ状態でも状態を記憶することができるようにしたものである。通常のレジスタでは、電源をオフにすると状態は消えてしまうので、状態を退避した不揮発性メモリから読み出して復旧するという手順が必要であるが、強誘電体キャパシタが状態を記憶するので、電源をオフにしても、また、オンにすればロジックは元の状態に復帰する。

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