くらし情報『ノーマリーオフコンピューティングはIoT時代の必須技術となるのか? (4) ヘルスケアシステムの低消費電力化技術』

2016年1月20日 08:00

ノーマリーオフコンピューティングはIoT時代の必須技術となるのか? (4) ヘルスケアシステムの低消費電力化技術

このため、電源オンオフ時の情報の退避復元の必要が無くなる。

心拍数の抽出部は、従来はアナログ増幅器とA/Dコンバータ(ADC)を連続動作させていたが、256サンプル/秒の低速サンプリングで間欠動作をさせるようにして、消費電流を135μAから6.7μAと1/20に低減した。そして、従来は波形のピークの間隔を測っていたが、この方法はノイズに弱いので、波形の自己相関から間隔を決定するアルゴリズムを採用した。

ロジック部は、不揮発性の16KBのFeRAMと不揮発FFを組み込んだARM Cortex-M0コアを使い、ノーマリーオフ化を行って消費電力を削減した。

結果として開発されたLSIは0.13μmのCMOSプロセスを使い、チップサイズが3.7mm×4.3mmで、心拍数ロギング状態の消費電流は6.1μAを達成した。

モジュールの消費電流は、従来技術では200μAであったが、同研究では、中間評価時には40μA弱に低減し、今回の報告では20μAと当初目標の従来技術の1/10を達成した。中間評価時からの主な改善点は、心拍予測によるADCの間欠動作とマイコンへの不揮発ロジックの採用によるマイコンの電源オフである。

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