2016年1月26日 12:00
兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (47) デザインを学んだカレー沢薫の「卒論」
このことに気づけていなかったら、おそらく私は漫画家にはなれていなかった。
専門学校では自分にデザインセンスがないことだけを学んだと思っていたが、今思い返すとそれだけではなかった。イケメンのセンスがないことも学んでいたのである。
そう思うと、専門学校時代も私にとって重要な期間だったと言えるのだが、卒業制作の評価にしても、総合点は非常に低かったが、審査員の中の数人が猛烈に推したための受賞だったらしい。これは、現在における私の漫画家としての世間の評価を完全に暗示している。
よって、人生の軌道修正をするならここだったとも言える。しかし、悪いところは分かっているが、それが直せないということも、もうわかっているのだ。
<作者プロフィール>
カレー沢薫
漫画家・コラムニスト。
1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)、Web連載漫画「ヤリへん」