2016年1月29日 09:00
2016年のデジタルマーケティング業界、技術・市場はどう動くか? [後編]
それどころか、Brinker氏の予測の2番目でも「キャズム越え」が課題として示されているように、マーテクはメインストリーム市場に向かう前段階にある。このような状況下で、企業がマーケティングスイート製品の登場を待ってから導入に踏み切るというのは現実的ではない。
では、これからマーテクを導入する企業はどうすればよいのだろうか。多くの先進企業ではマルチベンダー戦略を選択する方向に向かっている。具体的には、さまざまなベンダーが提供する製品分野からそれぞれ最適な製品を集め、インフラストラクチャ、ミドルウェア、アプリケーションと積み上げる「テクノロジー・スタック(技術群)」を定義し、これに沿って製品を導入することになると見られる。
テクノロジー・スタックはマーテク・ベンダーとユーザー企業のどちらにも必要である。モデルとなるテクノロジー・スタックを示すマーテク・ベンダーはまだ存在しないが、テクノロジー・スタックは、ベンダーを中心としたエコシステムの充実を示すことになり、連携のためのミドルウェアの選択肢をユーザー企業に提示することにも役立つ。
また、ユーザー企業にとってもテクノロジー・スタックは、自社の他の業務システムとの連携を考慮した上で、最適なマーケティングシステムを構築するための指針となるし、自社のマーケターがマーテクで実現したいことの優先順位を付け、テクノロジースタックが示す計画に従って複数の製品導入を行う上で役立つ。