くらし情報『航空機の技術とメカニズムの裏側 (5) 航空機の構造(5)主翼の配置と翼胴結合』

2016年2月15日 14:42

航空機の技術とメカニズムの裏側 (5) 航空機の構造(5)主翼の配置と翼胴結合

分割はされているが、左右通しの主翼の上に胴体が載っていると考えて差し支えない。

ところが、中翼や高翼だと話がややこしくなる。主翼を構成する桁を左右通しにすると、それが胴体のド真ん中、あるいは上方を突き抜けて横切る形になり(これをキャリースルーという)、機内のスペースに食い込んでしまうからだ。だから、中翼や高翼配置の機体だと、桁の構造に工夫をしたり、機内配置に工夫をしたりといった例がいろいろ出てくる。

○ケーススタディ(1)B-29とランカスター

例えば、ボーイングB-29スーパーフォートレス爆撃機は中翼配置である。ところがこの機体は爆撃機だから、機内に爆弾を積み込むためのスペース(爆弾倉)を確保する必要がある。

さらに厄介なことに、爆弾を投下する前と後で重心位置が大きく変動しないようにする必要があるので、爆弾倉の位置をやたらと前方あるいは後方に寄せるわけにはいかない。しかも、空力的安定性を確保するには、重心位置を主翼の揚力中心位置より前方に持っていかなければならない。
とかなんとか、さまざまな要因を考慮した結果、主翼と胴体の結合部ではキャリースルーが胴体を左右にぶち抜いて、その前後に爆弾倉を分割配置することになった。

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