2022年4月16日 13:00
映画『チェリまほ』に込めた、原作が持つ希望の力…制作側が共有していた思いとは
昨今、そこに対する問題意識は高まっていますが、当事者以外で危機感をもってアクションを起こす人は限られているようにも感じます。
そんな中で豊田先生の描く原作には、性的マイノリティの方々の当然の人権が当たり前に守られる社会にしていきたいと読んだ人に強く思わせるような、希望の力が秘められていると思うんです。BLというエンタメの中に、切実な祈りや信念が宿っているようなパワーを感じます。だから今、映画を公開するのであれば、その力を映画でも発揮してこそだと思って、そういった観点から監修していただける方々にも入っていただいて、作っていきました。
――ドラマの時に町田さんが、当事者の方の状況に思いを寄せながら、恋愛作品としての良さについても語られていて、すばらしいなと思いました。そういう感覚は皆さんで共有されていたのでしょうか?
町田さんのスタンスはもともと町田さんが持たれていたもので、私も取材などで考えを聞いていていつも尊敬しています。私が脚本家さん・監督と共有していた思いとしては「BLの地続きの世界には、実際に今を生きるLGBTQ+の方々がいらっしゃる」ということでした。
だから、安達と黒沢の恋を描くにしても、ただ在るものとして描きたいと思っていました。