2016年3月10日 10:02
軍事とIT (129) 軍事作戦と暗号(3)暗号の機械化
参考 :Jefferson disk(Wikipedia英語版)
○ローターの登場
そこで、もっと優れた、長文を扱えるようにする機械はできないかという話になる。その方法の1つとして、電気回路を使用する方法がある。
まず、入力側でタイプライター状のキーボードを押すと、電気配線に電気が流れるようにしておく。その先に換字部を用意して、押したキーとは異なる文字を出力するような配線を、使用する文字すべての分について施しておく。その先の出力は、変換後の文字に対応するランプが点灯するようにしておいて、それを読み取って書き付けることで暗号文ができる。
話を単純にするために、復号化の手段をどうするかという話は意図的に省略したが、要は、換字を機械的に行う1つの方法ということで理解していただければよい。ただし、この方法には1つ問題がある。
機械の中に電気配線を固定的に作り込んでしまうと、換字のパターンはその時点で固定化される。
すると、換字のパターンが少なすぎて簡単に解読されてしまう。固定配線にしないで、いちいち手作業でプラグコードをつなぎ替えるようにする手もあるが、手間がかかる上に間違いの元である。