結婚の条件は、愛猫を捨てることだった (1) プロポーズの後、相手が放った一言
「いや、猫を捨てるくらいならアンタを捨てるわ」と私が言い放った瞬間、ものすごい驚愕の表情をしていた。まさか自分が捨てられるとは思っていなかったらしい。どこにそんな自信があったのか今でも不思議で仕方がない。
もちろん、大好きな人と結婚するために、どうしても、どうしても愛猫を手放さなければならないこともあるだろう。身近な人たちを振り返っても、何人かそういう人たちがいた。事情があるのだし、実際その人たちの愛猫は無事に新しい家族が見つかって今も幸せに暮らしている。新しくできた優しい家族の元で、全力で可愛がられている猫を見ると私まで幸せな気持ちになる。
ただ、私は無理だった。
うちの子と離れ離れになるくらいなら死んだほうがマシだ。猫を捨てるのが結婚の条件なら、むしろ相手を捨ててやる。微塵の躊躇もなく。一片の後悔も無く。なぜなら私はうちの子を愛してやまないからだ。
「猫を飼っている女は婚期が遅れる」という巷のウワサ。私の場合は、このような理由から「ああ、本当なのかもしれないな」と思ったのだった(続く)。
○プロフィール
うだま
猫好きの独身アラサー。
猫の漫画や日常の漫画をよく書く。
猫ブログ「ツンギレ猫の日常-Number40」