KDDIがハクトのメインスポンサーに、月面での通信に技術協力も
すでに、KDDI研究所内にある電波無響室を使って、アンテナパターンの測定を実施。電波ロスが少なくなるように、2本のアンテナの長さや設置場所を変更したという。
そしてもう1つの課題は、月面との間の通信帯域がかなり細いことだ。良くても100kbps程度しかないと見られており、KDDIは、この低スループット環境でも高解像度の映像が送れるよう、解像度、フレームレート、画質の最適解を見つける。なお映像圧縮技術には、H.264エンコーダを使用するという。
さて、肝心のローバーについて、最新状況をお伝えしよう。今回、デモ走行が披露された機体は、4輪型ローバーのPFM3(3台目のプリフライトモデル)と呼ばれる最新の試験機。銀色のボディが目を引くが、これは放熱のため、FM(フライトモデル)では銀テフロンコーティングが施されるからだ(PFM3は銀では無くアルミ蒸着)。
また軽量化のために、カメラも変更されている。PFM1までは、上面に全方向カメラが搭載されていたが、PFM3は4方向それぞれに小型カメラを配置。また前面のレーザーレンジファインダは、赤外線を使ったTOFカメラに入れ替わっている。
ハクトは4輪型のほか、2輪型のローバーも開発しており、2台を連結したデュアルローバーシステムも考えられていたが(参考記事:民間月面探査チーム「ハクト」