低金利誘導による経済政策もまた国が行ってきたものであることから、北海道新幹線開業後の地域流動環境の整備については、再度の財政出動を含む抜本的な措置を再検討すべきではないか。
かつて19人乗りの小型機を使って、道内の鉄道利便の悪い都市間を結ぼうとしたコミューター事業も、早々に高運賃とコスト倒れで破綻した。HAC(北海道エアコミューター)の経営維持も、綱渡りでJAL頼みの状態である。
地方活性化、インバウンド需要の流動活性化という視点からも、不採算の生活路線への公的支援、地域を面でつなぐ「路線バス的コミューター」創設支援(空港使用料、施設家賃などを全て免除する等)など、単なる補助金行政とは違う創造的な行政施策が今後打ち出されることを期待したい。
○筆者プロフィール: 武藤康史
航空ビジネスアドバイザー。大手エアラインから独立してスターフライヤーを創業。30年以上におよぶ航空会社経験をもとに、業界の異端児とも呼ばれる独自の経営感覚で国内外のアビエーション関係のビジネス創造を手がける。「航空業界をより経営目線で知り、理解してもらう」ことを目指し、航空ビジネスのコメンテーターとしても活躍している。
スターフライヤー創業時のはなしは「航空会社のつくりかた」を参照。