2016年6月2日 11:00
芸能人の熱愛報道は、プライバシー権の侵害? 弁護士の見解は
毎日世間を賑わす、週刊誌による熱愛報道や、収賄などの犯罪についての報道だが、たとえば芸能人を張り込んで、恋愛関係をチェックする行為について、違法性はないのだろうか? アディーレ法律事務所所属弁護士の鈴木淳也氏に話を聞いた。
○プライバシー権の侵害になるケースはある
――週刊誌など、芸能人を"張り込み"で待ち伏せしたりするのは罪にはならないのでしょうか?
張り込みは犯罪に直結するわけではありません。敷地に侵入すれば、住居・建造物の侵入となりますが、そうでなければ犯罪に問うのは難しいでしょう。ただ、肖像権・プライバシー権の侵害が成立する可能性は考えられます。
報道される内容が、「私生活上の事実」または、「私生活上の事実らしく受け取られるおそれのある事柄」であること。そして、一般人の感受性を基準にして、公開してほしくないであろうと認められる事柄であれば、プライバシー権の侵害となりえます。
――熱愛等の場合と、犯罪の場合と、プライバシーの扱いは違うのですか?
熱愛であっても、犯罪であっても、普通の人であれば公開して欲しくないことであり、プライバシー権の侵害となりえます。ただ、すでに公然の事実となっている場合には、侵害とはなりません。