2016年6月28日 14:00
井上芳雄&城田優が語る、いま最もチケットがとりにくい舞台のひとつ『エリザベート』の魅力と難しさとは?
というか、むしろ強まっているように感じました。去年もチケットが即完売して、底なし沼みたいな作品ですよね。ただ、麻薬のような力がある作品だからこそ、甘えちゃいけないなとも思います。これは特別なお祭りだからと、自分を戒めないと溺れてしまう。『自分の力じゃない、自分の手柄じゃない』と思わないと」
一方城田は、自分が演じる"死"という概念の面白さを語る。
城田「ノンフィクションの中に"死"という世界が入るだけで、こんなにもファンタジックになるんだなと驚かされる、素晴らしい作品です。魔法のようなものだからこそ、恐ろしいです。初演の時は24歳だったので、今より経験も実力もなく、逆に勢いでできたところもありました。
5年経って、前回(2015年)またトート役を演じる時に、経験も積んでいるし、『あのとき出せなかった音も余裕で出せるようになった』と思っていたんです。何の不安もなく、やり切れるだろうと思っていたら、そんな甘い時間はなかった。本番は苦しかったですよね」
作品の強さは、主演の2人も感じるところが大きい様子だが、トートという役については、一体どのようにとらえているのだろうか。○定義のない、トートという役
トートという役柄について「死という、定義のない概念であること」