2014年4月1日 09:16
樹木の細胞壁に含まれる「リグニン」を原料にバイオプラスチック合成 -理研
理化学研究所(理研)とカネカは3月29日、植物の中でも樹木の細胞壁に多く含まれる高分子量の芳香族化合物「リグニン」の分解物を微生物に与えることで、バイオプラスチックの1種で、多くの微生物がエネルギー貯蔵物質として体内に蓄えるポリエステルである「ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)」の合成に成功したと共同で発表した。
成果は、理研 環境資源科学研究センター バイオマス工学連携部門 酵素研究チームの富澤哲特別研究員、同・沼田圭司チームリーダと、カネカ GP事業開発部の松本圭司将来技術グループリーダーらの共同研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、日本時間3月29日付けで米化学会発行の科学誌「ACS Sustainable Chemistry & Engineering」オンライン版に掲載され、後ほど印刷版にも掲載される予定だ。
環境循環型社会へと転換を図るためにには化石資源を代替できる技術をあらゆる分野で早急に確立する必要があるが、太陽電池をはじめとする各種代替えエネルギー生産技術が実用化されているエネルギー分野に比べ、材料分野は石油由来プラスチックの代替材料がいまだ確立されておらず、立ち後れた状況となっている。