2023年2月4日 09:00
映画『レジェバタ』総事業費20億円も、海外は逆に驚く!? 大友啓史監督が注いだ“劇薬”とは
もしかしたら今後、多くのスタッフ・キャストが現場に足を運んで撮影するということができなくなってしまうんじゃないか、と。それで今回は、そういう撮影ができるのもこれが最後かもしれないという思いで、よりアナログな作り方に傾倒していったという感じです。
もともと僕はアナログな作り方の中にこそ実は映画の原初的なパワーがあると思っていて、CGで1万人出すより、エキストラを300人集めた方が、現場で大きなグルーブやエネルギーが生まれると信じているんですね。そして実はそれは、東映さんがずっとやってきたことでもあって。東映70周年記念作ということで、京都太秦で作られた作品をクランクイン前に200本程ランダムに観たのですが、とにかく昔の太秦では、浅草の祭りや花魁道中を再現したり、人手をかけた、数の力で、荒っぽいむちゃくちゃなことをやっています(笑)。そしてそこにものすごい創作のエネルギーが生まれている。
映像はどんどん新しい技術を取り入れ進歩していかなければいけないけど、今回は、東映さんの“古き良き”アイデンティティと、我々大友組のここ10年の経験値を合わせて、なにか新しいものが生まれるのではないかと。