2023年2月4日 09:00
映画『レジェバタ』総事業費20億円も、海外は逆に驚く!? 大友啓史監督が注いだ“劇薬”とは
今回オファーいただいたプロデュースチームからは、僕に対して「劇薬になってください」という言葉がありました。「『龍馬伝』で大河ドラマを変えたように、『るろうに剣心』で邦画アクションを刷新したように、今回は新しい時代劇を京都撮影所で作っていただけませんか?」というオファーで。時代劇というジャンルは、生き残りにかなり苦戦していますからね。そんな中、東映70周年の新しい門出として、次の時代につながるきっかけになるような時代劇作品、それを創るためのいわばカンフル剤になってほしいというのがその趣旨でした。
京都には職人的な技術が残っているし、木村さんも「宮本武蔵」で仕事をして以来、もう1度京都太秦の職人たちと一緒に仕事をしたいという強い意向があった。それから7〜8年ほど経ちますが、彼らの技術を十二分に発揮できる機会が日常的に今の撮影所にあるかというと、準備に時間をかけられるような、職人たちが十分に創意工夫を尽くせるような、そういう規模の大作時代劇がどんどん少なくなっているのは確かです。どの仕事でもそうかと思いますが、腕を磨く機会が十分あれば、技術や思考も自然とシフトチェンジして行くと思うんだけど、そうでないと、どうしても錆びついてしまったり、忘れ去られてしまったり、ということもある。